第2回 リズム遊び研修会(会員制学習会)の振り返り
2025年5月10日に行われた第2回 リズム遊び研修会(会員制学習会)の内容をまとめました。
リズム遊び 基本のリズムの捉え方と実践 介助方法
- 体幹をつくるために ①踵が起点 ②背骨の柔らかさと支える力 ③力の抜き方入れ方
- 子どもに合わせた介助法…金魚を嫌がる子どものために…継続の仕方。
- その日のリズム遊びのメニュー・・・リズムの組み合わせ方とフィードバック
- 集団リズムへの取り組み(1人 ⇒ 2人組 ⇒ 集団)と関係性の再認識
- 2024年度の卒園式から見えてきた今後の課題
- リズム遊びを実践するための条件が難しい環境での取り組み方…ホールが狭い・床が硬い・ピアノがないなどなど・・・・こうした悩みを解決するための方法を考えましょう。
子どもの成長がわかるリズム遊びの実践 ―― 基本のリズムの捉え方と実践 発達の順序
1.体幹をつくるために
① 踵が基点
歩行が遅い子に手をつないで歩かせないこと、手をつないで歩くと踵の骨が変形する。1・2歳児、体重のかけ方による踵の骨の変形、踵の角度の左右差につながる。その後リズム遊びをしっかりやることで踵の骨の変形は減り左右差の少なくなる。しかしリズム遊びをしないとその左右差が残る。
☆ 金魚 仰向け(足首直角)下向き(足指4本までを返す) ・ こぎつね(股関節の動きをよくする) ・ どんぐり ・ 両生類ハイハイ ・ 四つ這い高這い ・ きしゃ ⇒ 踵が起点(丁寧な介助) ⇒ 1人ボート
② 背骨の柔らかさと支える力 しなやかな軸をつくろう
☆ 金魚 (背骨ゆらし・胴体ゆらし) ざりがに ・ 4カメ ・ 富士山
③ かたつむり 膝を伸ばす(タオルを使って膝うら伸ばす) 開脚で膝を伸ばす (仙骨を立てる)
2.力の入れ方(負荷のかけ方)と抜き方
あひるが苦手な子ども達(しゃがむ姿勢が苦手 ・ 苦しいので立って走りたくなる)
こぎつね・あひる・あひるじゃんけんでつながる・ぶるぶる
(下半身に負荷をかけてから,力を抜く、じゃんけんで負けたチームがあひる歩きのまま移動できるまでやってみよう。午前午後、そして2週間毎日取り組むことで下半身の力がつく)
あひる・カエルジャンプ・あひる・カエルジャンプ・ぶるぶる (2・3歳児向け)
しっかりした太腿をつくるために、カエルをが大好きな時代
かけっこジャンプ
3.立位でのひねる動き・・・時計 うさぎ 時計
うさぎ・時計・うさぎ・カエル・とびこみカエル・とびはねろ・うさぎ・時計・うさぎ
4. 子どもに合わせた介助法…金魚を嫌がる子どものために…継続の仕方
どの向き、どんな姿勢でもいい揺らしてみましょう。
- 多動傾向の子はじっとさせることが難しいのですが、リズムでの別のグループがやっている時に座れずに走ってしまう子がいます。そういう子を押さえつけて金魚をすると、泣きます。しかし、はじめは泣いて暴れたり抵抗したりしますが、根気よく金魚の揺れを伝えていくとはじめは嫌がっていた子が嫌がらなくなり、姿勢もいろいろだったのに、仰向けでの金魚を受け入れてくれるようになります。その後、落ち着きが出て目が合うようになり言葉が出始めます。それまで興味がなかった絵本などをじっと見るようになります。
- 事前に保護者さんへの説明や理解を仰ぐことは最優先です。子どもの年齢にもよりますが3歳頃が最も多動でだんだんと落ち着いて6歳を迎える頃にはクラスの一員としてしっかり存在感を表す子どもに成長していきます。 (参考文献:『多動脳』 アンデシュ・ハンセン )
5. その日のリズム遊びのメニュー ・・・リズムの組み合わせ方と繰り返し 量から質へ
- 種類を減らして、同じものを何度もサンドイッチのようにやってみる。
- 組み合わせ方の工夫と子どものやる気を引き出す
- 走るリズムが好きな子ども達が多い中で、苦しさ(負荷をかける)からの解放感を味わうリズム遊び
- 個別対応が必要な子
- 固有覚がうまく機能していないと上半身と下半身、右側と左側がバラバラ、どこに体重を乗せて、どこを抜くか・・・? 量をやることで自分の固有覚と相談
- 基点がわかりづらい子のためのひっぱり金魚 と足キック(足首の角度・蹴り方) 足開き
- かかし・とんぼ・かかし ・・・ とんぼの片足立ちのバランス 自分で意識できることを増やす
6. 集団リズムへの取り組み
(1人 ⇒ 2人組 ⇒ 集団)と関係性の再認識
☆ ボートレース 1人ボート・・・足をそろえて進む 前進、バック・・・踵の力
- 踵揃えを丁寧に毎日少しでもやることで姿勢のいい立ち姿になる。
- ある園の実践:年長児 雑巾かけの後に必ず1人ボートで足の位置を確認して進むことを毎日やる。前身とバック。毎日少しずつの積み重ね。決して競争ではない。ゆっくりすすんでもよい。(4歳児以上)
- その後、2人組 集団のボートレースに発展させる。先頭と最後尾を誰にするか?を子ども達で相談できる関係性。
- 「汽車ぽっぽ」や「森生き」の「そり」のリズムの先頭も同様
- 年長後半のリーダーの育て方…言葉優位ではなく行動優位のリーダーを育てる